夜の十一時近く。
遅い時間だというのに、空にはまだ白い光が残っていた。
街灯がやわらかく灯り、あたりの薄暮と溶け合っている。
周囲は静まり返り、ときおり車が通り過ぎていく。赤いテールランプが交差点をかすめ、遠くの青信号と静かに向かい合っている。
木々や草花は、もう夢の中にいるようだった。月だけが静かに空に浮かんでいる。
道端のベンチも、どこか寂しげだった。
犬を連れて外に出ると、近くのドッグパークはがらんとしていた。
うちの犬は何度か行き来したあと、入口のそばに伏せてじっと外を見ていた。いつも一緒に駆け回る仲間を待っているようだった。